法学検定試験

「法学検定試験」趣意書

 21世紀を目前にして、わが国社会は、いま、大きな変革期にあります。経済のグローバル化、科学技術の発達による情報化の進展、少子化・高齢化に伴う社会構造の変化等、変革の波は社会のさまざまな分野に及んでおります。そうした変革期にあって、これからの社会は、公正・公平で透明なルールによって規律される自由競争・自己責任の時代であるともいわれ、それはまさに法的なものの見方・考え方がより重要になってくる時代の到来を意味するものといっても過言ではありません。

 そのような時代のなかにあって、法律学を学ぶ意義はますます大きくなってきております。

 大学で法律学を学ぶ学生にとって、一つの目標として司法試験や公務員採用試験等があります。しかし、わが国の現状ではこれらの国家試験が学生にとって必ずしも共通の目標とはなっておらず、法学部の卒業生の多くは、民間企業等法曹以外の道に進んでおります。そして、それらの卒業生も、法の役割と機能を十分に理解し、社会のリーダー・担い手として活躍することが期待され、大学における法学教育の重要性は従来にも増して大きくなってきております。

 そこで、全国の法学研究者のご協力を得ながら、財団法人日弁連法務研究財団と社団法人商事法務研究会は、共同して、法学検定試験委員会を組織し、その下で、「法学検定試験」を実施することといたしました。

 「法学検定試験」は、法律学の知識・能力の客観的到達度をはかろうとするものです。

 その受験対象は法律学を学ぶすべての者で、法学部の学生はもちろんのこと、経済学部や商学部等の社会科学系学部の学生、文学部等の人文科学系の学生あるいは企業等に勤務する一般社会人をも対象にしております。

 「法学検定試験」により、受験者にとっては、法律学を学ぶうえでの手がかりや学習の具体的努力目標が設定されると同時に、その結果は、たとえば、企業等における人事採用にさいしての重要な指標・目安になるなど、多くの場面で有効に活用されることが期待されます。そして、何より重要なことは「法学検定試験」が広く普及・定着することにより、わが国社会全体の法的レベルアップにもつながる、という点にあります。

 なお、「法学検定試験」は、将来は、より専門的な2級・1級等上級レベルの検定試験も計画しておりますが、当面は基礎的な4級および3級レベルの検定から実施いたします。

2000年2月 財団法人 日弁連法務研究財団 社団法人 商事法務研究会 法学検定試験委員会

(2000.2.24 更新)

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